安倍晋三首相が札幌市中央区で15日に参院選応援のため街頭演説した際、「安倍辞めろ」などとヤジを飛ばした男女数人が、演説現場から北海道警に排除された。周囲の支持者とのトラブルはなく、安倍首相の演説が中断されることはなかった。道警警備部は「トラブルを未然防止するためで対応は適正」と説明するが、専門家は「過剰警備と感じる」と話している。
安倍首相は同日午後4時半ごろ、JR札幌駅前で選挙カーに登壇。「安倍総理を支持します」と書かれたプラカードを掲げる支持者らを前に演説を始めた。すると、数十メートル離れた場所から若い男性が「安倍辞めろ」と連呼し、警備していた制服姿の警察官数人が男性を取り囲み、後方に引き離した。「増税反対」などと叫んだ女性も、私服姿の警察官数人に囲まれてもみ合いとなり、排除された。
これに先立ち、安倍首相が市内にある地下道を小走りで移動した際も、大声でヤジを飛ばす若い男性がおり、私服姿の警察官数人が男性を現場から数十メートル移動させた。
一方、安倍首相が市内の繁華街で選挙カーの上から演説した際には、中高年の男性が「安倍帰れ」などと叫び、周囲の支持者らが「おまえこそ帰れ」と叫び返すなど現場は一時騒然となったが、警察官は静観していた。
道警警備部は、興奮した状態で繰り返し大声を出したために排除したと説明。「聴衆とのトラブルが懸念され、移動するよう声を掛けたが応じなかった」とし、通常の警察活動の一環だったとした。男性らの行動が公職選挙法違反(選挙の自由妨害)にあたるかどうかについては確認中とした上で、「移動を促したのは公選法違反を念頭に置いたものではない。ヤジを飛ばしただけで排除したわけではない」とした。
現場の映像を見た札幌弁護士会の猪野亨弁護士は「聴衆の言動は良識の範囲で自由であり、強制的に排除するには相応の根拠が必要だ。今回は聴衆がつかみかかるような衝突しそうな雰囲気があるといった理由は見当たらず、過剰警備と感じる」と述べた。【岸川弘明、山下智恵】
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2019-07-17 11:23:00Z
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190717-00000071-mai-pol
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