日英両政府は、英最新鋭空母「クイーン・エリザベス」の日本訪問を防衛協力深化の象徴と受け止めている。東・南シナ海で一方的な現状変更を試みる中国を念頭に、インド太平洋地域での戦略的連携を引き続き強化する方針だ。
米海軍横須賀基地(神奈川県)の岸壁では4日、日英米の関係者が空母を出迎え、艦上からは乗組員がバグパイプを鳴らして応えた。空母打撃群の寄港は「日英関係史上、最大規模」(英政府)とされ、英国のジュリア・ロングボトム駐日大使は、「空母訪問で、インド太平洋地域での英国の存在感が強まり、英日のパートナーシップがさらなる高みへと引き上げられる」と意義を強調した。
日本政府は、米国と同盟関係にある英国を「準同盟国」と位置づけ、2015年以降、外務・防衛閣僚会合(2プラス2)を4回開催している。自衛隊と英軍による共同演習を重ね、相手の部隊を自国に受け入れるための「円滑化協定」の締結を目指している。
日本側は、日本近海で挑発行為を繰り返す中国軍に日米同盟で対抗する方針だが、地域の安全保障に英軍も引き込むことで、「対中抑止力の補強」(防衛省幹部)を期待する。英空母はマラッカ海峡から日本に向かう途中に南シナ海を航行し、中国による人工島の軍事拠点化をけん制した。
欧州連合(EU)離脱を機に外交政策を見直している英側は、3月に発表した外交・安全保障政策の「統合レビュー」でインド太平洋地域への関与を強める方針を打ち出した。環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を目指すなど、安保分野の関与をテコに経済的連携を深める狙いもある。
からの記事と詳細 ( 英空母クイーン・エリザベスの横須賀寄港、「準同盟国」連携の深化を象徴 - 読売新聞 )
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