政府は2日、新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置について、適用中の31都道府県のうち本県など15都道府県で延長し、11県は解除する方針を固めた。残る5県は調整を続行。本県は病床使用率が高止まりしていることなどから同日、措置の再延長を政府に要請。福田富一(ふくだとみかず)知事は臨時記者会見を開き、県全域の飲食店への営業時間短縮要請を継続する方針を示した。
岸田文雄(きしだふみお)首相は3日に方向性を固め、4日の政府対策本部で正式決定する。延長後の期限は約2週間後の21日を軸に検討している。
本県では1月27日に重点措置が適用された。当初の期限は2月20日だったが、感染が収まらず延長を要請し、今月6日が期限となっていた。
国の基本的対処方針分科会が示した措置終了の目安に照らすと、病床使用率や自宅療養者数(療養先調整中含む)が下降傾向になく、重症病床率も上昇傾向にあることから、福田知事は「措置終了の目安を満たしていないと判断した」と説明した。
隣接する茨城、群馬、埼玉県が延長を要請したことにも触れ「感染の広がりを踏まえれば、隣接県と同レベルの対策が必要」とも述べた。
重点措置は飲食店対策が中心となり、その効果に疑問の声も上がっている。福田知事は「(新規感染者数などを)数字で追えば残念ながら高止まりの状況で大きな減少は見られていない。しかし新規感染者の急増を抑え、県民に緊張感を持ってもらうアナウンス効果も十分にあった」とした。
措置が終了した沖縄県などで感染が再拡大していることを挙げ「今の状態で再拡大すれば医療の逼迫(ひっぱく)度は相当高くなる」と危機感を示し、感染対策の徹底を訴えた。
また、オミクロン株の派生型で強い感染力があるとされる「BA・2」が1月中旬以降、計10人確認されたことも明らかにした。うち7人は市中感染が疑われるという。県はゲノム解析の結果などから、BA・2への置き換わりはまだ進んでいないとみている。
まん延防止措置の延長が固まったのは首都圏のほか北海道、青森、茨城、栃木、群馬、石川、愛知、京都、大阪、兵庫、香川。解除は福島、新潟、長野、三重、岡山、広島、高知、福岡、佐賀、長崎、宮崎。
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