ウクライナ情勢について、日本時間18日午後10時から米中首脳による電話会談が始まりました。
アメリカのブリンケン国務長官は、「中国がロシアを支援した場合、躊躇なく代償を科す」と首脳会談の中で明確にすると述べていました。
一方、中国外務省は、根本の原因は、NATO=北大西洋条約機構の拡大であり、アメリカ側が「真剣に反省して、火に油を注ぎ、責任を転嫁すべきではない」としていて、制裁を科すなら、対抗措置を取るというこれまでの主張を繰り返すものとみられます。
◆国際安全保障や現代軍事戦略が専門、防衛省防衛研究所の高橋杉雄さん、中国総局の千々岩森生総局長に聞きます。
(Q.バイデン大統領は、どういったこと主張するとみられますか)
防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:ロシアと中国は、同じような武器を使っていますから、アメリカから中国へ「ロシアへの支援はするな。特に武器の支援はしてはいけない」と伝えると思います。
経済制裁については、中国が抜け穴になってしまっては意味がありません。それについては、釘を刺していくと思います。例えば、民間企業の措置として、VISA・マスターなどクレジットカード会社が取引停止をしていますが、中国の銀聯カードが使えていたらほとんど影響がありません。逆にいうと、中国側にとってはビジネスチャンスになります。「そういうことをするべきではない」と最高首脳レベルで伝えるということはあるのではないでしょうか。
(Q.こうしたアメリカの出方に、中国はどう対応するのでしょうか。銀聯カードを止める可能性はありますか)
中国総局・千々岩森生総局長:経済面、金融面で、各国と並んで中国がロシアへの制裁に参加するという可能性は、ほぼゼロだと思います。中国政府は、すでに「制裁には反対」と繰り返していますし、「ロシアとの正常な貿易は続ける」と明言しています。だから、「通常の貿易です」という形を取りながら、実質的には、ロシアに対する経済支援を行うという懸念のほうが残ると思います。中国にとって、ロシアと手を切るという選択肢は、アメリカと向き合ううえで取り得ないというのが現状です。
(Q.軍事支援の可能性はありますか)
中国総局・千々岩森生総局長:軍事面でいきますと、中国の空母が18日、台湾海峡を通過したという情報が入ってきました。首脳会談を直前に、アメリカをけん制する狙いがあるとみられます。軍事支援の可能性ですが、現状では、今のところ低いと思っています。アメリカから制裁を受けるのは必然ですし、中国としては、ヨーロッパ諸国との関係は大事で、ここの関係にもひびが入ってしまうのを避けたいというところもあると思います。会談で、バイデン大統領は、「ロシアを支援するな」と迫るわけですが、習主席が「支援はしない」と応じる可能性は極めて低いと思います。
(Q.中国の空母が台湾海峡を通過したという情報が入ってきましたが、これはどうみますか)
防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:アメリカ軍がヨーロッパに展開するのを難しくするという意図があるように感じます。
(Q.バイデン大統領は、24日にNATO緊急会合に出席予定ですが、ウクライナへの支援体制に変化はありそうでしょうか)
防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:16日に決めた最大約8億ドルの支援パッケージを実行することが重要です。ただ、アメリカ国内、特に共和党を中心に「それでは、まだ生ぬるい」という議論もあります。それは、国内で議論と準備をしつつ、いまは、NATOの体制を確認し、決めた支援を一日も早く実施するということだと思います。
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