国際エネルギー機関(IEA)は1日、日米などの加盟国が備蓄している石油を計6000万バレル協調放出すると発表した。ロシアによるウクライナ侵攻や、ロシアへの経済制裁の強化に伴い、石油の供給が滞る恐れが生じている。放出によって供給途絶を防ぐとともに、原油価格の高騰が続く中で市場を安定させる狙いがある。
IEAが1日に開いた臨時閣僚会合で決めた。リビア情勢の悪化で協調放出した2011年以来、11年ぶりとなる。米国が3000万バレル、他の加盟国で3000万バレルを分担して放出する。日本の放出量は未定。萩生田光一経済産業相は会合が終了した後に記者会見し「国際社会と協力して難局を乗り越えていく」と述べた。
米エネルギー情報局によると22年1月の世界の石油の1日あたりの消費量は約1億バレルで、放出量はそれを下回る。ただ各国はさらに多くの備蓄を持っており潜在力はある。
放出期間は30日が想定されている。ロシアからの石油の輸出量は1日500万バレル。一部の輸出が停滞しても1日200万バレルを協調放出することで穴埋めできると見込んだ。状況が悪化すれば柔軟に対応するという。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で原油価格は一段と上がった。経済制裁の強化によってロシアによる石油の輸出が停滞する可能性があると警戒されている。
ロシアが侵攻を開始した2月24日、ニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物の期近物は一時、7年半ぶりに1バレル100ドルの大台にのせた。
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