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Sunday, January 8, 2023

中国、ゼロコロナ政策終了 入境時隔離を撤廃(写真=ロイター) - 日本経済新聞

【広州=比奈田悠佑】中国は8日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために外国などから中国本土に入る際に義務づけていた隔離措置を撤廃した。本土と香港間も同様に隔離なしの往来が可能になった。感染を徹底して抑え込む「ゼロコロナ」政策は事実上終了した。国によっては中国からの旅客に防疫措置を敷くなどしており、往来の完全な正常化へはなお時間がかかりそうだ。

中国は新型コロナの感染が拡大した2020年以降、入境者に対して数日から数週間の隔離を実施してきた。直近では原則8日間の隔離措置が敷かれていたが8日に撤廃した。中国メディアは空港で海外からの渡航者と出迎える人たちが抱き合って再会を喜ぶ姿を映像で報じた。隔離施策があった頃には見られなかった光景だ。

22日の春節(旧正月)が近づき、海外にいる中国人の帰国が増えそうだ。国家衛生健康委員会の米鋒報道官は8日午後の記者会見で「疫病の予防、制御と経済社会の発展をより一体化させる」と話した。

香港から中国本土に入る際も同様の隔離措置があったが8日に撤廃された。同時に香港と隣接する広東省深圳市との間に複数ある陸路の出入境管理所も運用箇所を増やした。香港メディアによると、8日に再開した出入境管理所の香港側には早朝から数百人が並び、本土へ向かった。

中国本土へ入る規制は大幅緩和されたが、往来の完全な正常化にはまだ時間がかかる見通しだ。

日本などは中国からの渡航者について入国時にPCRなどの検査を実施し、陽性の場合は隔離とするといった水際対策を設けた。コロナ流行前は2年に1回程度、日本へ旅行していたという上海に住む30代の中国人男性は「隔離される可能性があると考えるとまだ遊びに行けない。歓迎されていない感じがして気まずさもある」と話す。

香港と本土地域を結ぶ高速鉄道も直通運転を停止したままだ。運転に向けた作業が進められており、再開すればより多くの人が本土と香港間を気軽に行き来できるようになる。

中国では昨年12月に政府が「ゼロコロナ」政策の緩和を発表して以降、感染が急拡大し、混乱が広がっている。ロイター通信は、重慶市にある新型コロナの抗原検査キットを製造する工場で7日、数百人規模の抗議活動があり、デモ参加者と警察が衝突したと報じた。

SNS(交流サイト)に投稿された動画などに基づいた情報で、賃金や雇用を巡って従業員が抗議した。抗原検査キットの需要が減り、工場側が従業員を突然解雇したとの報道がある。盾を持った警官隊に対し、デモ参加者が物を投げつけている映像もあるという。

中国では移動制限を伴う厳格な感染対策で、経済が大きな打撃を受けた。収入の減少に不安を抱いている人も多く、中国政府は規制緩和による不満の解消と抗議活動の封じ込めを同時に進めている。

中国国営通信の新華社は8日、中国政府が感染対策の大幅緩和にかじを切った経緯を解説する記事を発信した。それによるとオミクロン株の流行などにより「感染をゼロにすることが難しく、防疫の社会的コストと代償が大きくなった」ことが背景にあるという。各地では22年11月ころ地域封鎖などへの不満が拡大、抗議活動が発生した。

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