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Thursday, April 4, 2024

「子どもの成長記録が…」10分で持ち出す“大切な物”台湾地震一夜明け死者10人に2024/04/04 23:30 - テレビ朝日

台湾東部の地震が発生してから一日半が経ち、被害の全容が徐々に明らかになってきました。亡くなった人は10人に上り、震源に近い東部・花蓮県では救助作業が続いていますが、いまだ多くの人が“孤立状態”にあるということです。

■“孤立状態”続く

台湾随一の景勝地、太魯閣(タロコ)峡谷。2つのプレートの衝突でできたこの場所は、大理石の産地としても知られ、風光明媚な景観が人々を魅了しています。台北からツアーが組まれるほど、自然を味わうにはまたとない場所です。そんな場所は今、いたるところで山肌がむき出しになり、道路まで張り出した岩が行く手を阻みます。

峡谷を訪れた登山客や鉱山作業員が、がけ崩れによって行き来ができなくなっています。孤立状態人のうち、ほとんどが太魯閣峡谷に滞在していた人とみられています。ヘリコプターによる救出活動で、一部の人たちは峡谷から出ることができました。自然豊かな地域を襲った地震、そして孤立。恐怖は計り知れません。

救助された女性
「どうすればいいか分からない。夜中も石がずっと落ちてきました。恐ろしくて寝られなかった」

ただ、いまだ孤立状態の人がどうなっているか情報は十分にありません。600人以上と連絡は取れているといいますが、ふもとで待つ家族の不安は募ります。

孤立した人を待つ家族
「皆は花蓮市の倒壊した建物に関心を持っているが、こちらはまったく無関心。我々はどうすればいい?」

■10分で持ち出す“大切な物”

その花蓮市内の傾いたビルでは救出活動が終わり、続けられていたのは、これ以上倒れないようにするための、足場固めの作業でした。

市内は、築年数を経た建物を中心に被害が出ていて、余震によって倒れてもおかしくないということで、規制線が張られています。

台湾当局
「ビルの中には入らないで。中に入るなら時間を守って。でないと危険だ」

家に入れる制限時間はわずか10分。大切なものを必死に持ち出す、住民の姿がありました。

住民
「家具が全部倒れていて、とても散乱していた。お金や証明書などは母が持ち出せた」
「貴重品も何も持たずに逃げた。きょうは着替えなどを持ち出した」

生活の再建には、時間がかかりそうです。

住民
「片付けていたら、壁に子どもの成長記録があって、その場所が傷んでいるのを見て、すごく悲しくなった」

■日本人経営の宿にも影響

市内に入ると、荷物を運び出している人に出会いました。自転車屋さんを営んでいたといいます。

自転車店を経営する男性
「建物が解体されるから、全部持ち出さないと。天災だから命さえあれば。命が一番大事です。お金はまた稼げるから」

夫婦でホステルを営む、内海真巳子さん。宿自体への被害は少なかったといいますが、満室だった予約は全てキャンセルになりました。

『VIEWHOSTEL』を経営 内海真巳子さん
「木金土というのは満室だったので、皆さんキャンセルですね。しょうがない。花連は観光地なので、コロナがあって、やっと落ち着いてきて、最近、街でもお客さんを見るようになって、落ち着いてきたな、いい感じだなという時にこの地震があって、本当にがっかり。いつになったら、もっと前の時ようににぎわうのかな。悲しいなあって」

■夜市再開も「売り上げゼロ」

倒壊しかけている建物の横では、4日から東大門夜市が再開しましたが、お客さんはいつもよりだいぶ少ないということです。

訪れた人
「人がすごく少ないです」
「人が少ないから出店も少ない。地震があったからでしょうね」

夜市の出店者
「少ない、少ない。かなり少なくなりました。普段の連休だったら、もっと人は多いはず。(Q.地震の影響は)もちろんあります。売上がまだゼロですよ」

■死者10人 孤立状態700人超

これまでに分かっている被害状況をまとめます。

台湾当局の発表(日本時間午後9時40分時点)
死者:10人
連絡が取れない人:15人
孤立状態にある人:705人

いずれも震源に近い花蓮県に集中しています。

孤立状態にある人はいずれも花蓮県の観光地・太魯閣地区周辺です。救出作業が随時行われていますが、現時点ではホテル周辺で688人が孤立しているという情報が入っています。

■日本で広がる台湾支援の輪

日本政府は、現時点で台湾側からの支援要請はないものの、必要に応じて支援する用意をしているとしています。

一方、かつて被災した自治体ではすでに支援の輪が広がっています。

福島市は、4日から募金箱を設置し、支援金の銀行口座も開設しました。東日本大震災の時、台湾から多くの支援を受けたほか、福島空港と台北との間で直行便もあり、台湾からの観光客も増えているということです。

熊本県は、災害見舞金100万円を台湾に贈るほか、4日から県庁など13カ所に募金箱を設置しました。熊本地震の際、台湾から多くの支援を受けたこと、また、県内に台湾の半導体企業『TSMC』の工場ができ、台湾とのつながりが増えているということです。

民間でも、コンビニチェーンや飲食店、金融機関などで、相次いで募金や義援金を送る動きが始まっています。

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