「無実を訴え続け、命まで奪われてしまった夫の無念を晴らしたい」。「飯塚事件」再審請求の弁護団が2017年11月に出版した書籍に久間三千年元死刑囚の妻はそうメッセージを寄せていた。元死刑囚が逮捕時から一貫して事件への関与を否定したのと同様に、妻も夫の潔白を信じ、日々を重ねてきた。
弁護団によると、妻は1994年に元死刑囚が逮捕された後、自宅に石を投げ込まれたり、周囲から白い目で見られたりするなど肩身の狭い思いをしてきた。06年10月に最高裁で死刑判決が確定した後も、かつて夫と共に暮らした自宅に住み続け、無実を信じ続けてきた。
だが、再審請求の準備中だった08年10月に突然、死刑が執行された。その日、弁護団の岩田務弁護士が電話で執行されたことを伝えると、妻は受話器の向こうで言葉を失ったという。
「殺さないでほしかった。命だけは奪わないでほしかった。息子が成人して、私が定年退職したら、ゆっくり日本一周しようと約束してくれていました。私たち家族の夢は夫の死によって、一瞬にして消え去りました」。書籍に寄せたメッセージでそう振り返った妻は、死刑執行から1年の命日に請求人として1回目の再審請求をした。
妻は、…
からの記事と詳細 ( 「夫の命奪わないでほしかった」 飯塚事件、無実信じた妻の30年 - 毎日新聞 )
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