(ブルームバーグ): 東京都は新型コロナウイルスの感染拡大に対する対策強化のため、飲食店への営業時間の短縮要請を午後8時までに前倒しするかについて検討を進める。NHKが3日、報じた。
NHKによると、東京都は午後10時までとしている現在の時短要請の効果も踏まえて、前倒しするかどうかについて検討を進めることにしている。2日に首都圏の3県とともに政府に対して緊急事態宣言の発令を検討するよう求めた東京都に対して、西村康稔経済再生担当相は時短要請を午後8時まで前倒しすることなどを求めた。
一方、東京都などが求める緊急事態宣言の発令について政府はその効果を疑問視しており、感染抑制には飲食店などの休業や営業時間短縮の徹底の方が効果的とみていると時事通信は報じた。同報道によると、政府は休業や時短要請に応じない事業者への罰則規定を含んだ特別措置法の改正を優先したい考え。
特措法に基づき緊急事態宣言が発令されると、対象地域の知事は外出自粛や学校や福祉施設の使用停止の指示など様々な要請が可能になる。政府は昨年4月7日に緊急事態宣言を発令した後、5月25日に全面解除していた。
日本経済新聞によると、菅義偉首相は4日の年頭の記者会見で新型コロナの対処方針を説明する。菅首相は25日の記者会見で、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長から緊急事態宣言を出すような状況ではないとした発言があったとした上で、同宣言の発令がなくても国民の行動変容は可能だとの考えを示していた。
新型コロナを巡っては、首都圏を中心に感染拡大に歯止めがかからない状況が続いている。東京都では昨年12月31日に1日当たりの新規感染者数として過去最多の1337人を記録した。その後も1月1日に783人、2日に814人と高水準の感染者数の報告が相次いでいた。
(c)2021 Bloomberg L.P.
Tsuyoshi Inajima
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