福島県は21日、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」による感染急拡大を受け、政府に「まん延防止等重点措置」の適用を要請した。重点措置の対象地域は、同日から県独自の集中対策が始まった南相馬市と、感染が急拡大するいわき市。政府が追加を決定すれば、南相馬市での重点措置は初、いわき市は昨年8~9月以来2回目となる。両市以外にも都市部を中心に感染状況が悪化しており、県は市町村から適用要請があれば、対象地域を拡大する方針。
21日の県新型コロナウイルス対策本部員会議で、政府への適用要請と対象地域を決めた。政府は25日にも本県などへの重点措置適用を決定する見通しで、南相馬、いわき両市での措置開始は早ければ27日、遅くとも28日と県はみている。
重点措置に伴う対策は、市民への行動制限、飲食店の営業時間短縮や酒類提供の制限などを想定。既に適用が始まった16都県の対策を参考に政府と詳細を詰める。16都県では感染症対策認証店と非認証店によって営業時間や酒類提供の可否などで対応が分かれており、県内の対応は焦点の一つとなる。
南相馬市の直近1週間(14~20日)の人口10万人当たりの新規感染者数は66・10人。減少傾向にあるが、依然として「レベル3(対策強化)」の基準「25人以上」を大きく上回っている。相双地区の病床使用率は20日現在、66・7%で、地域の医療提供体制が逼迫(ひっぱく)している。いわき市は今月15日以降に感染拡大の傾向が顕著となり、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は36・64人。
両市を含めた県内13市のうち、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数が「レベル2(警戒強化)」の基準を超えているのは9市。
22日発表予定(21日判明分)の県内新規感染者数は3日連続の百人超えとなる見通し。内堀雅雄知事は会議終了後の記者会見で、県内の感染状況についてレベル2を維持するとした。ただ、「相当厳しい状況になったレベル2だ」と述べ、レベル3に近づいているとの認識を示した。
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