カズワンの船体は、浸水事故が起きたとみられる「カシュニの滝」から西北西に約1キロの水深120メートルの海底で見つかった。沈没船などの引き揚げは、海洋汚染防止法が船舶所有者に必要な措置を命じることがあると定め、今回の場合は運航会社「知床遊覧船」が手配する。また、船内の捜索については海上保安庁の特殊救難隊の潜水士が潜ることができる水深限度が約60メートルであるため、難航も見込まれる。
海保はこれまで、巡視船のソナー(水中音波探知機)などで事故現場周辺を捜索していたが、船体の発見に至っていなかった。29日からは、海上自衛隊の掃海艇「いずしま」が捜索に参加。第1管区海上保安本部によると、いずしまの水中カメラが午前11時7分ごろ「KAZU I」と表示された船体を捉えたという。
船体の引き揚げについては、知床遊覧船の桂田精一社長が船体発見前の27日の記者会見で「海保の担当者と保険の規約を確認し、サルベージ(引き揚げ作業)業者数社に問い合わせている。会社の責任で手配する」と説明している。
一般社団法人「水難学会」会長の斎藤秀俊・長岡技術科学大学教授は「水深120メートルは、民間のサルベージ船(クレーン台船)を使って対応できる深さだ。一方、この深さでの船内の捜索作業は危険を伴うため、まずは慎重に船を引き揚げることを考えてもらいたい」と指摘する。海保の奥康彦・総務部参事官は「現時点で船体の引き揚げをどうするかは決まっていない」と話している。
この日夕、残る行方不明者の捜索から帰ってきた男性漁師(63)は「船体が見つかり、とりあえずはよかった。あと12人も早く見つけてあげたい。船に何か手がかりがあれば……」と話した。【北村秀徳、木下翔太郎、高島博之、山田豊】
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