神奈川県大井町の東名高速道路で2017年、あおり運転で一家4人が乗ったワゴン車を停車させて事故に巻き込み死傷させたとして、自動車運転処罰法違反（危険運転致死傷）などに問われた石橋和歩（かずほ）被告（30）の差し戻し審で、横浜地裁（青沼潔裁判長）の裁判員裁判は6日、求刑通り懲役18年の判決を言い渡した。危険運転致死傷罪の成立を認めた。
この事故を巡っては、差し戻し前の1審の裁判員裁判が18年、危険運転致死傷罪の成立を認めて石橋被告に懲役18年（求刑・懲役23年）の判決を言い渡した。しかし、2審の東京高裁は19年、同罪の成立を認めた1審に誤りはないとしつつ、裁判手続きに法令違反があったとして1審判決を破棄し、横浜地裁に審理を差し戻していた。
事故は17年6月5日夜に発生。2審判決によると、石橋被告は東名高速のパーキングエリアで、静岡市の自動車整備業、萩山嘉久さん（当時45歳）から駐車方法を注意されたことに腹を立て、萩山さんらが乗る車を追いかけ、高速道路上に停車させた。その直後、後続のトラックが追突し、萩山さんと妻友香さん（同39歳）が死亡し、娘2人が負傷した。
差し戻し後の横浜地裁の審理でも、危険運転致死傷罪の成立が争点となった。検察側は、差し戻し前の1審の懲役18年判決に対して控訴していなかったことから、今回の差し戻し審ではこの判決と同じ量刑で求刑した。【池田直】
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