防衛省は25日、北朝鮮から弾道ミサイルが発射されたと発表した。日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したものと推定した。北朝鮮の弾道ミサイル発射が確認されたのは6月5日以来3カ月ぶりで、情報収集と分析を進める。
浜田靖一防衛相は25日、午前6時52分ごろ北朝鮮内陸部から東方向に少なくとも1発のミサイルが発射されたと語った。最高高度は50キロメートル程度で通常の弾道軌道なら400キロメートルほど飛んだと説明しつつ、変則軌道の可能性もあると言及した。
防衛省で記者団に述べた。ミサイルによる航空機や船舶などへの被害は確認されていないという。日本政府は北朝鮮に北京の大使館ルートを通じて抗議した。
浜田氏は「これまでの度重なる発射も含め一連の北朝鮮の行動は日本や地域、国際社会の平和と安全を脅かすものだ」と強調した。国連安保理決議への違反だと指摘し「強く非難する」と訴えた。
今回のミサイルの種類については「総合的、専門的に分析する必要があり、現時点で確たることを答えるのは困難だ」と話した。
韓国軍も25日、北朝鮮北西部の平安北道泰川周辺から発射された短距離弾道ミサイル1発を捉えたと公表した。
岸田文雄首相は関係省庁に①情報収集・分析と国民への迅速・的確な情報提供②船舶や航空機などの安全確認の徹底③不測の事態に備えた万全の態勢――の3点を指示した。
防衛省によると2022年に入ってから北朝鮮による弾道ミサイル発射を確認したのは16回目で、少なくとも29発にのぼる。年間の発射数の最多を更新している。
米軍の原子力空母が23日、4年ぶりに韓国に寄港した。近く周辺海域で韓国海軍との合同演習を実施すると説明していた。今回のミサイル発射は米韓合同演習を念頭においた北朝鮮側の威嚇の可能性もある。
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