栃木県那須町の河川敷で焼けた2人の遺体が見つかった死体遺棄事件で、警察に出頭した20代の男性が県警の任意聴取に対して「車を貸したが、殺害には関与していない」という趣旨の説明をしていることが捜査関係者への取材で判明した。男性が貸したという車は事件前に遺棄現場付近の防犯カメラに映った車と酷似しており、県警が事件との関連を調べている。
捜査関係者によると、県警は2人を運んだとみられる黒色のセダンを既に押収。セダンは栃木県外のナンバーで、この男性が「貸した」と話した車と一致したという。一方、現場付近の防犯カメラには遺体が見つかる約3時間前の16日午前4時過ぎに現場方向へ走る黒っぽい車が映り、約30分後に現場から戻る様子も確認されていた。現場に近い高速道路のインターチェンジ付近にある防犯カメラにも同じ車が映っており、高速を使った可能性がある。
男性は17日、「自分が関与しているかもしれない」として東京都内の交番に出頭した。任意聴取では「(16日に都内で)出頭するか3人で相談した」との説明もしているものの、出頭したのはこの男性だけとみられる。県警は複数の人物が役割分担をした可能性もあるとみて捜査を進める。
遺体で見つかったのは東京・上野のアメ横商店街を中心に飲食店などを経営していたとみられる宝島龍太郎さん(55)。県警はもう一人の遺体は宝島さんの妻である可能性が高いとみて確認を急いでいる。【池田一生、藤田祐子】
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