群馬県伊勢崎市境上矢島の国道17号(上武道路)で6日に発生したトラック1台と乗用車2台が衝突した事故は、3人が死亡する惨事となった。事故直前に、トラックが蛇行運転していたことも捜査関係者への取材で判明。群馬県警伊勢崎署は、運転していた吉岡町の男性(69)が中央分離帯にぶつかるのを避けようとハンドルを切った際に運転操作を誤ったとみて、体調の回復を待って事情を聞く方針だ。
同署は7日、死亡したのは、同じ乗用車に乗っていた前橋市樋越町、会社員塚越寛人さん(26)、息子の湊斗ちゃん(2)、湊斗ちゃんの祖父で渋川市赤城町宮田、会社員の正宏さん(53)の3人と発表した。3人は埼玉県内のレジャー施設から帰宅する途中だったという。
事故は6日午後4時15分頃、「境交番入口交差点」近くの見通しの良い片側2車線の直線区間で起きた。トラックが対向車線にはみ出し、乗用車2台と相次いで衝突したとみられる。3人が乗っていた乗用車1台は、トラックに押し出されて側道でガードレールとの間に挟まれ、運転席付近が大破していた。この事故で、トラックの男性が重傷、別の乗用車の太田市の女性(52)が軽傷を負った。
捜査関係者によると、ドライブレコーダーの映像などから、トラックは中央分離帯に衝突するのを避けようとして左右にハンドルを切った後、中央分離帯を乗り越えて乗用車に衝突したとみられる。現場にはトラックのブレーキ痕はなく、同署はトラックが減速しないまま衝突したとみている。県警は7日、男性が勤める前橋市内の運送会社を捜索した。
3人を知る近隣住民からは悼む声が聞かれた。
塚越さんと湊斗ちゃんが暮らす住宅近くの70歳代女性は、親子が家の前で遊ぶ様子をよく見かけたといい、「仲の良さそうな家族でほほえましかった。まだ2歳なのに。本当に気の毒だ」と涙ぐんだ。
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