東京・西東京市のスーパーで、12日午前、手押しカート(ショッピングカート)を持った80代の女性客がエスカレーターの手すりに首を挟まれ死亡する事故が起きた。このとき、エスカレーターは自動停止しなかったという。専門家は、非常停止ボタンがあっても、事故に巻き込まれた当人はパニックになり対処は難しいと話す。
下りエスカレーターでの事故
多くの買い物客で賑わう大型スーパーで、起きてはならない事故が起きてしまった。
この記事の画像(22枚)80代の女性客がエスカレーターの手すりに首を挟まれ死亡したのだ。
事故は、12日午前10時半ごろ、東京・西東京市に2024年にオープンしたばかりのスーパー「オーケー東伏見店」で起きた。
店内の地下へと続く下りエスカレーターで女性が倒れているのが見つかり、「エスカレーターで人の首が挟まっている」と消防に通報が寄せられたという。
女性は意識不明の状態で緊急搬送されたが、その後、死亡が確認されたという。
発見された際、女性は下りエスカレーターの降り場で、手すりのレールと床の間に首が挟まった状態で倒れていたといい、警視庁は、女性が手押しカート(ショッピングカート)を持って下りエスカレーターに乗り、降りる直前に何らかの原因で転倒したとみている。これまでに、なぜ首が挟まってしまったのかはわかっていない。
70代の買い物客は「他人事じゃないなって思った。これから若くなるんじゃないし、足腰も弱くなってくる」と話す。また、80代の買い物客は「(過去の経験談で)前にいたおじいちゃんがエスカレーターでカートごとに乗っちゃったんですよ。そのままバーンと倒れてきた。僕はたまたまいたから止めたんですけど、カートは飛んじゃって…」と高齢の買い物客の事例を話してくれた。
エスカレーター使用時の注意ポイント
今回、被害者を救う手立てはなかったのか。わかっている情報をもとに、江戸川大学の斗鬼正一名誉教授に原因について推測してもらった。
「着ているものが引っ張られたのか、あるいは髪の毛が引っ張られたのか、そういうことで、たまたま首が挟まれてしまったってことかなと思いますね。
高齢者はフラつくことがあるんですよね、何でもなくても。カートに気を取られてという可能性もあると思うんですよね」
エスカレーターの乗り降りする付近には「非常停止ボタン」があるが、事故に巻き込まれた当人はパニックになり、対処することは難しいという。
「自動停止でセンサーで止まるんですよ。何か挟まったり、子供が指を突っ込んだりしたら止まるはずなんですよね。今回もなぜ止まらなかったのか」
今回の事故で、なぜ安全装置が作動しなかったのかについては詳しい検証が必要だとしている。
斗鬼教授に聞いた、エスカレーターを使用する際に注意するポイントは以下の4点。
・必ず手すりに捕まる
・階段のように上がらない
・ショッピングカートなどは乗せない
・乗り降りが最も危険なので、高齢者の方は若い人以上に注意する
高齢者がエスカレーターを使用する際、周りの人が支えていくことも大切だ。
(「イット!」 6月12日放送より)
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