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Wednesday, July 13, 2022

安倍氏銃撃、緊迫の消防無線記録 11時35分「心肺停止」(写真=共同) - 日本経済新聞

安倍晋三元首相が参院選の街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、現場で救命活動に当たった奈良市消防局の無線記録の全容が判明した。「高齢男性、拳銃で撃たれ、現在CPA(心肺停止)状態と思われます」(銃撃から約3分後の8日午前11時35分)――。出動命令から救急車に収容、ドクターヘリへの搬送までの生々しいやりとり、約50分にわたる緊迫した救命の実態が浮かび上がった。

事件は8日午前11時32分に発生。花火を打ち上げたような大きな銃声が響き渡り、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で演説していた安倍元首相が路上に崩れ落ちた。

その直後に「救急指令、加害事故、出動せよ」と消防本部が命令。「西大寺東町2丁目において発砲事件」(同34分)、「CPA状態と思われます」(同35分)と追加情報を出すと、最初の隊が現場に着き「自民党の参議院候補の演説会場です」(同37分)と報告した。すぐに隊員が安倍元首相の心肺蘇生を試みた。

「ドクターヘリ出動させます。ドクターヘリ出動させます」(同40分)。救急車からヘリに受け渡す地点は、現場から南東に直線で約700メートルの平城宮跡歴史公園に。同43分に現場から「救急車内に収容しました」。約2分後に救急車が合流地点に向けて出発した。

この後、消防本部が数回にわたり、救急車に呼びかけ。同48分、救急車から「頸部(けいぶ)、頸部に銃創あり。初期波形にあっては、心静止。挿管・ルートの方、実施したいと思います」と報告があった。安倍元首相の首、左上腕部の計2カ所に銃弾が命中した傷があり、救急車内で気道を確保し酸素を送る処置が取られた。

現場の情報が入り乱れ「加害者にあっては警察と捜査していますが行方不明です」(同51分)、「犯人、犯人確保済み、逮捕済みです」(同)とのやりとりもあった。

午前11時53分ごろにドクターヘリが合流地点に到着。救急車も同57分に着き、受け渡しが完了した後、搬送先が決まった。「ヘリにあっては橿原の医大、橿原の医大となりました」(午後0時12分)。午後0時13分に飛び立ち、奈良県立医大病院(奈良県橿原市)に搬送された。同20分に到着し、胸部の止血や大量の輸血の処置が行われたが、安倍元首相は午後5時3分、死亡が確認された。〔共同〕

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